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なかなかご紹介出来ずにいたのですが
「台所道具展」8日目を迎えました。

初日からたくさんの方にお越しいただき、ありがとうございます。

並んだものを少しずつですがご紹介できればと思います。



「岩手鳥越 鈴竹」
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3月の雪解けの頃、実際に制作している所を見たくて
岩手の一戸のほうまで足をのばして作り手のかたといろいろお話させていただきました。

岩手一戸では雪深い冬に、雪の重みにも耐える様な弾力ある鈴竹が生息しています。
昔から冬場の家内仕事として鈴竹細工の手仕事が盛んで、1200年ものあいだ途切れることなく
地域ぐるみで作り続けられてきた工芸品。

自生するスズ竹を自分たちで採取するところから始まり、
皮を剥いで、均等に縦4つに分割。
さらに、内側の厚みを何度も削って薄くし、ようやく材料となるわけです。

この原料にかける手間暇や一つの形に仕上げるまでのことを想うと
胸がいっぱいになりました。

そこに並んだかごやざるなどは個人、いわゆる作家としてつくられたものではありません。
作り手の一人として、ただただ手を動かし形にしていくのはきっと特別なことじゃなく
日常のなかのひとつなんだな。
素直な心の目で見たとき、それらはとても美しかったです。

その場にいらした、たぶん一番ご高齢のおばあちゃま。
鈴竹でつくったおおきな塔のオブジェを指さして
「これ、わたしがつくったのよ」と少しだけ誇らしげに
チャーミングに笑った顔が忘れられません。

メールやファックス、注文すれば簡単に商品としていくらでも届けてもらえるけれど
また会いにいって、お話をして、
直接モノに触れて、お客様に届けたいな。



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古くから伝わる暮らしの道具。
岩手の県北の小さな集落で、受け継がれた竹細工の美しさを
是非手にとってもらえたらうれしいです。


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「三河布史 がら坊ふきん」

日本独自の紡績技術『がら紡』で糸を紡ぎ
力織機(りきしょっき)という昔ながらの動力織機で布を織り上げています。
時間をかけてで織り上げる力織機の布は風合いが豊かです。


ハンカチサイズとタオルのサイズ2種類。
がら紡で紡いで、ゆっくりと織り上げた布はとても柔らかく吸収性が良いので
石けんや洗剤を使わずにお肌や食器などを洗うことができます。
お肌にはとても優しく、赤ちゃん用のタオルにもおすすめです。


昭和三十年代のピーク時には全国に千数百軒といわれたがら紡工場も
今では愛知県内で数軒を数えるのみ。
現在は残る機械も数台しかなく、その希少な機械で糸を紡いでいます。


地域の歴史と日本の重要な産業史をこのまま忘れ去ってしまっていけない。
そんな生産者のみなさんの想いを紡いでいきたいと思います。
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『西尾商店 亀の子束子』
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誰もが一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
亀のマークでおなじみの亀の子たわし。

創業当時から製造方法がほぼ変化していない亀の子束子は職人の技術そのもの。

「繊維は天然のものです。右と左で太さも違います。
それを均一にするのが人間の手、指先の感覚でしかできません」

年間何百万個と製造される『亀の子たわし』は機械的な工業生産品ではなく、
人の手によってつくられていたのだそう。


100年以上も変わらず、愛されてきたたわし。
タワシの形が変わらないのは、それが洗うという経験から導き出された必然的な形状だから。

沢山ある種類の中から、用途に合わせて使い分けできるものをご用意しました。

ザルやまな板の細かいところを洗うのや野菜の泥洗いに。
今も昔も日本の台所をささえてくれる存在です。



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vibgyor à table 中塚英司


栃木県の那須に程近い山懐の小さな街で、
普段づかいの木の道具を作っていらっしゃるvibgyor à table 中塚英司さん。

台所道具展の企画にお誘いをして
電話やメールで何度かおはなしさせていただいているうちに
会いたいな。会わなきゃな。って
急きょ、栃木行きを決めたのが5月のはじめ。
丁度、益子陶器市最終日に待ち合わせをして、陶器市も
一緒にご案内してもらいました。
初対面でドキドキのわたしの不安が一気に吹き飛ぶくらい、
車で会場に向かう道中も
今までのこと、これからのこと、モノづくりのこと、お店のこと。
たくさん話しました。
陶器市の会場でも行く先々で、作り手の皆と笑顔で言葉を交わす姿に
みんなに愛されてるいるお人柄が伝わりました。
私は特に初対面のひとと話すとき、緊張でどこか構えちゃうから
中塚さんの誰に対してもすっと素直に自分をだせるのは、ちょっとうらやましいな_。

そのおおらかで、自由で、優しい人柄が
カタチになったひとつひとつの道具から伝わります。
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中塚さんの作り出すものは、日々、欠かさずいただく食に関わるもの。
毎日の料理が、食卓が、いつもより楽しく豊かな時間になるようにと想いを込めて。

お客様との対話の中で「使うのもったいないな-。」ってお声があったりするのですが
もう、どんどん毎日使いましょうよ。ってお話ししてます。

木のモノは使っていくうちに、木肌がふさふさになったり、色が変色したり、傷だってたくさん。
でもそれは沢山のおいしい!を作ってきた証。
ちょっとだけお手入れしていただくことで、木は深みのある落ち着いた艶が増してきます。

わたしも毎日使ってます。
何年か後の変化がとてもたのしみです。

完売していたスパチュラや新たにカトラリーも追加で本日届きました。
是非店頭で丁寧な手仕事を感じていただけたらと思います。


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今回それぞれのご紹介がだいぶ長文になってしまいましたね。笑
なんかね、今回のモノ全部、簡単にね書けなかった。

普段、モノを選ぶときやお客様に選んでもらうときも
フラットな目で素直に心に響いたものを。と思ってお店に立ってるのだけれど
カタチになったモノの背景を知ることで、より大事に、愛着のあるものになるなぁと
私自身が作り手の人と話して感じた事。

作り手の想いを伝えるのも大事。

ちゃんと伝えられてるかな。
押しつけになってないかな。

日々、自問自答の毎日ですが
作り手さんの想いがこもったカタチが届くたび、バトンを受け取ったみたいで
気持ちが奮い立ちます。

たくさんいろんなことを書いてしまいましたが
実際に触れて使ってみるのが一番。

皆さんの日々の暮らしを楽しむきっかけのひとつになってくれたら
とてもうれしく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
明日も皆さんのお越しをお待ちしてます_。